従業員の正当な評価と健康管理を継続的に実施できる仕組みづくりがポイント
休職者ゼロ*を実現したTwooCaの活用方法とは?
※外的影響による不調を除く
株式会社OSBSは、障がいを持つ従業員によって、採用から会社の事業運営まで行っている企業です。同社では、全国で490名を超える従業員が活躍しており、自分の得意なことをみつけて、その能力を伸ばす働き方をしています。一人ひとりの特性を理解し、親会社であるアウトソーシンググループの支援により、採用から会社運営までを自らで行っているのが特徴です。

また、グループ企業のシェアードサービス部門として事業展開をし「企業は従業員自らの力で成長させていくもの」という理念を実践しています。障がい者の能力を最大限に活かす職場環境を築いており、能力を十分に発揮できる職場環境づくりを積極的に進めています。

その一環で、同社は当社が2022年8月~2023年9月に実施しました新技術実証制度(規制のサンドボックス制度)※(以下、「規制のサンドボックス制度」といいます。)において実証を行ったサービスであるTwooCaを導入しました。今回は、株式会社OSBSの代表取締役社長である眞鍋謹志さんに、TwooCaの導入によってどのような影響があったのか、お話を伺いました。


※当社は株式会社OSBSを協力企業として、国の「新技術等実証制度」(規制のサンドボックス制度)に基づく新技術等実証計画に認定された前払式支払手段と交換可能なデジタルポイントを労働者へ付与する実証に係る新技術等実証計画(本記事において「実証計画」と言います)の取組みを行いました。本インタビューは一部実証計画での実施内容を含みます。

内閣官房ホームページ「規制のサンドボックス制度」
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/s-portal/regulatorysandbox.html

「新技術等実証制度」(規制のサンドボックス制度)に基づく新技術等実証計画認定のお知らせ
https://kortvaluta.com/news/certification-of-sandbox

interviewComment
株式会社OSBS 代表取締役社長
眞鍋 謹志
さん

2002年

トヨタ自動車の製造メーカーとの合弁会社に入職

2009年

株式会社アウトソーシングに売却

株式会社アウトソーシングでは総務部長に就任し、

CPO、CIOとしてグループの購買戦略とIT化推進に従事

2015年

株式会社OSBSを設立、代表取締役に就任

2021年

株式会社アウトソーシング、

オペレーションマネジメント室、室長に就任

グループ内の人、物、金の有効な活用を、ESGに関わる

業務を軸に、広くグループに影響のある活動を実施

2024年

現在に至る

従業員を適切に評価し、体調管理が行える仕組みの導入が必要だった
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最初に、御社について教えてください
当社は「特例子会社」として認定を受けている企業です。特例子会社とは、グループ会社がいくつかある場合に、そのグループ内で障がい者雇用率を確保するための仕組みです。各子会社で障がい者の採用や設備投資が難しい場合に、専門に採用する子会社を作ることが認められています。この子会社で採用されると、グループ内の他の会社にも分配して働くことが可能です。これが特例子会社の役割です。
TwooCa導入前に抱えていた問題点は何ですか?
私はOSBS社以外に、親会社のアウトソーシングで2021年まで総務部長を務めていたのですが、従業員が多くなると部署間の情報共有が難しくなります。そのうえ、コロナ禍で在宅勤務や多様な働き方が普及し、直接会って仕事をする機会が減ってしまいました。OSBS社においても同様の問題があったほか、従業員同士のコミュニケーション不足も課題となっていました。
こうした状況では、在宅勤務や専門職の社員の業務を正しく評価するために、見える化することが重要でした。そのため、社内で出勤簿の打刻やチャットのログなどを活用し、従業員がきちんと仕事をしていることをシステムで確認できるようにしたいと思いました。
さらに、当社では「健康が大切である」という考えがあるため、従業員の体調管理も重視しています。毎日の睡眠や食事、薬の服用などを管理することで、従業員自身が健康管理の習慣を身につけられるようにしました。ただ「やってほしい」と伝えるだけでなく、従業員の実績を正当に評価し、ポイントを付与する仕組みの導入が必要でした。
OSBS社は前述の規制のサンドボックス制度に協力企業として参画し、こうした健康管理活動に対して5ポイント、10ポイントといったようにポイントを付与し、貯まったポイントを電子マネーに交換できる流れを作りました。これにより、従業員一人ひとりがポイントを貯めることで、モチベーションを高められる仕組みができたと感じています。
自身の貢献度に応じて正当に評価されていることを、従業員が実感できることが大切
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TwooCaを導入する決め手となったポイントを教えてください。
単純にポイントを付与したり、従業員を評価したりするサービスは、世の中に多くありました。
現在、市場にある多くのサービスは、一部の大手企業が提供するもので、柔軟な対応が難しく、コストもかかります。私たちは費用を削減し、その分を従業員に還元したいと考えていました。
TwooCaは従業員の目線に立って設計されており、導入することに決めました。特に重要なのは、実際の業績に基づく評価システムであることです。
TwooCaは当社のニーズに合致しており、TwooCa導入はグループ会社全体で取り組むべきだと考えています。これにより、従業員一人ひとりが自分の貢献度に応じた評価を受けられるようになると確信しています。
規制のサンドボックス制度にあたり、具体的にTwooCaをどのように利用していたのでしょうか?
カスタマイズポイント機能を活用して、従業員の健康管理やリモートワークの回数、社内勉強会への参加に対してポイントを付与しました。ただし、会社がこれをさせたいとか、特定の行動を強制するような形にはしたくありませんでした。
健康推進活動として、ポイント付与の対象となるのは、日常的に行われる以下のような活動です。
  • 健康管理(「昨日はよく眠れた」「今朝ご飯を食べた」など)
  • 出勤時の打刻
  • 研修や勉強会への自主的な参加
これらの活動に対して自然にポイントを付与することで、従業員が前向きに参加し、学んだことを忘れないようにすることが目的です。例えば、研修に参加したことや体調管理をしたことがポイントとして蓄積され、1か月で500円分のポイントが貯まるといった具合です。
重要なのは、無理をしない設定にすることです。強制的に何かをさせるのではなく、従業員の自主性を尊重しながら、日々の健康管理や学習を促す仕組みにすることが大切だと考えています。
また、毎朝の体温測定や睡眠時間の管理、コロナ対策として始めた習慣なども含まれます。これらの習慣は、単に会社のためだけでなく、従業員自身の健康管理能力を高めるためにも役立ちます。このように、ポイント付与のシステムを通じて、従業員が自らの健康と成長に役立つ行動を自然に続けられるような環境を整えています。
TwooCaの導入により安心して働ける環境が整い、休職者ゼロ*を実現
※外的影響による不調を除く
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規制のサンドボックス制度やTwooCaの利用を通じて気づいたことなどはありますでしょうか?
当社の構成は、一般的な企業と少し異なります。従業員約500人のうち、450人は障がい者手帳を持っており、何らかの課題を抱えています。残りの50人は、看護師や保健師、社会福祉士、精神保健福祉士、心理士、作業療法士、理学療法士などの国家資格を持つ医療福祉の専門家です。私は社長ですが、親会社の支援を受けながら運営をサポートしているので、実際の運営は従業員自身が行っています。この自立的な運営が当社の特徴です。
当社は、従業員の健康管理やリモートワークの回数、社内勉強会への参加に対してポイントを付与しています。しかし、会社が特定の行動を強制するのではなく、従業員が自然に行う日常的な行動に対してポイントを付与することを重視しています。例えば、「昨日はよく眠れた」「今朝ご飯を食べた」「朝ちゃんと打刻できた」といった健康管理の活動や、自主的な研修参加などがポイント対象です。
特に、精神障がいを持つ従業員に対しては、自分の状態を理解する「病識」を持つことが重要です。血液検査のように数値で簡単に把握できるものではないため、日々の行動や体調の変化を把握することで初めて気づくことができます。例えば、躁うつ病の従業員が自分の躁状態に気づくことは難しいですが、睡眠時間や食事の状況を記録し、ポイントとして可視化することで、支援者が適切にフォローアップできる仕組みを整えることができます。
そしてこれを、TwooCaシステム を導入している規制のサンドボックス制度で、従業員の自己管理能力を高め、体調の変化を早期に察知することが可能になりました。これにより、従業員の休職率が大幅に減少し、突発的な事故や大きなショック以外の理由での休職者がゼロ(外的影響による不調以外)になりました。TwooCaは、従業員に寄り添い、健康管理や業績評価をサポートするツールとして非常に有効であると感じています。
このように、従業員が安心して働ける環境を整えることが、会社の持続可能な運営にとって重要だと考えています。
従業員が楽しみながら継続的に取り組める仕組みづくりが重要
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TwooCaを導入の使用にあたり、工夫されていることや良かったことを教えてください。
こういった取り組みは継続的に取り組んでもらうためにも、従業員が楽しみながら参加できることが大切です。OSBS社ではTwooCaアプリを使用しながらゲーム感覚でポイントを獲得できる「ゲーミィフィケーション」の手法を採用しました。
従業員の健康管理が見える化されることで、最終的にはインセンティブとして機能しますが、それが過度な管理と感じられないよう工夫しています。例えば、日々の健康チェックや体調管理が自然に行えるよう、ゲーム性を持たせた通知機能を組み込んでいます。この機能には、他の従業員と連絡を取り合ったり、優しい気遣いを受けたことを通知したりするものも含まれます。
さらに、自分の進捗状況が見える化されることで、ポイントの大小に関わらず、楽しんで取り組みやすくなります。こうした取り組みは、従業員が仮に会社を辞めたとしても良い習慣として身につき、その人の財産になるのです。
健康管理の習慣が続けば将来的に病気になりにくくなり、医療費や通院時間の削減に繋がります。目に見えない効果が非常に大きいのです。TwooCaが提供してくれたこのシステムにより、多くのメリットを享受できるようになったことを非常に嬉しく思っています
TwooCaを従業員の健康管理や実績の評価としてもご活用いただいた事例をお話いただきありがとうございました。従業員に寄り添うサービスとして今後も発展を続けてまいります。
株式会社OSBS
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業種
コンサルティング業、バックオフィス業務、業務請負
事業内容
ブランド椎茸を中心とした農業、苔の事業者拡大と販売
不動産業、第二種通信事業、バックオフィス業務
心理士を目指す学生の為の研修、企業内学校による教育
英国王室ブランド製品の販売
社会福祉業界に就労する人の新しい働き方を提案
社員数
496名
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IDカテゴリ
社員証
タグ
#TwooCaWallet #TwooCaRing #カスタマイズポイント #サンドボックス制度