人手不足の農業に、働き続けたくなる仕組みを――アグリトリオがTwooCaと進める働き方改革
農業の現場では、繁忙期の人手不足に加え、給与の現金払いを前提とした慣習や福利厚生の整備不足など、働き方そのものが採用・定着の壁になるケースも少なくありません。農業専門の1日バイトアプリ「農How(ノウハウ)」を運営する株式会社アグリトリオ(以下、アグリトリオ)は、TwooCaを活用し、ポイント施策やリング決済など“日常の体験”から、将来的な労務管理・給与デジタル払い*までを見据えた仕組みづくりに挑戦しています。
本記事では、TwooCa導入の背景から運用の手応え、描く未来像までを深谷祐貴氏に伺いました。*株式会社Kort Valuta(以下、Kort Valuta)は現在、給与デジタル払いの事業者として厚生省に指定を受けるべく準備を進めています。
農業の人手不足に向き合う、アグリトリオの事業とは

まず、アグリトリオ様の事業内容や特徴について教えてください。
アグリトリオは農業分野における課題解決に取り組んでおり、労働力不足へのソリューションとして、農業の「1日アルバイト」に特化したマッチングサービスアプリ「農How」を提供しています。
農Howは、農業に特化したスキマバイト型の就労マッチングサービスです。
スキマバイトを広げること自体を目的とするのではなく、この仕組みを手段として活用し、農業現場が抱える慢性的な労働力不足の解消と、農業に触れる「最初の入り口」をつくっています。農家は必要なときに人材を確保でき、ワーカーは1日から実際の農作業に関わることで、農業を現実的な仕事として理解できる。農Howは、短期就労を起点に持続可能な農業人材の循環を生み出すことを目指しています。
農業専門1日バイトアプリ「農How」をどのように活用されていますか?
主に繁忙期の人手不足を解消するため、スポットで働ける人材を確保できる仕組みです。多くの事業者様が繁忙期対策としてご利用されています。
「農業のイメージを変えたい」TwooCa導入の背景にあった農業業界共通の構造課題
TwooCaの導入前に抱えていた課題を具体的に教えてください。
アグリトリオ自身の課題というよりは、農業業界全体が抱えている構造的な課題がTwooCa導入の背景にあります。農業の労働環境を見渡すと、福利厚生が十分に整っていないことなどが、人材確保を難しくしている要因のひとつになっていると感じていました。
現在、農Howを利用してくださっているワーカーさんは、もともと農業への関心や意欲は高い方々です。しかし、農家側の求人ニーズに対して、まだ十分な数のワーカーさんが集まっていないのが現状です。今後、より多くの方に農業で働いてもらうためには、労働環境や仕組みの改善を進め、農業で働くこと自体の魅力を高めていくことが重要だと考えていました。
そこで、TwooCaを活用することで、将来的には農Howとの連携や給与デジタル払いにもつなげながら、農業特有の課題を少しでも改善できないかと考えたのが導入のきっかけです。
農業が抱える課題の中で、もっとも優先して解決したいテーマは何でしょうか。
1つに絞るのは難しいですが、根本的には「農業のイメージを変えたい」という思いが一番強いです。農業は立派な経営であり職業です。それにもかかわらず、どこか特別な枠で見られてしまっている。そのイメージが人手不足や後継者不足にもつながっていると感じています。そのためには、働き方や報酬、環境などを、すべてアップデートしていく必要があります。農Howで、農業を1日単位で体験できる入口をつくり、TwooCaで「また来たい」「続けたい」と思える仕組みを構築する。この2つが組み合わされば、農業のイメージは確実に変えられると思っています。
「会うべくして会った」農業を変えるパートナー。理念への共感と共創

TwooCaを導入することになったきっかけを教えてください。
アグリトリオの企業理念や事業内容に対して、Kort Valutaが強く共感してくださったことが大きなきっかけでした。
私たちは農業の労働環境を改善していきたいと考えています。ただし、その取り組みは私たちだけでは限界があり、外部パートナーの力が不可欠です。そうした中で、画面を自社仕様にカスタマイズできるアプリの構想についてご提案をいただき、「一緒に取り組んでいきたい」と思えたことが導入の後押しになりました。
まずは私たち自身がTwooCaを実際に使うことで、その魅力や価値を体感したいという思いもあり、先行してTwooCaを導入しました。
今回の導入をきっかけに、深谷様の周りで農Howを使っている農家さんなどにも、TwooCaを広げていきたいという思いはありますか。
もちろん、その思いはあります。
将来的には、TwooCaの力で働く人への日々の還元やお金の流れをデジタルでスムーズにすることにより、農業の労働環境を大きく変えていける可能性があると感じています。
そもそも今回のお話は、「農業をより良くしていきたい」という共通の思いから始まったものです。TwooCaと農How、それぞれの強みを活かしながら、デジタルの力で新しい形を作っていきたいという考えが根底にあります。
導入時の混乱はほぼゼロ。スムーズに浸透したTwooCa
TwooCa導入時のことについてお聞きします。今後、農Howと連携したカスタマイズアプリの構想がある中で、まず社内でTwooCaを導入されたと思いますが、利用の周知や浸透で困ったことはありましたか。
特に課題はなくスムーズに導入できました。社員側の負担もほとんどなく、やってもらったことといえば、アプリをインストールしてもらう程度です。TwooCa Ringも使っていますが、導入はとてもスムーズでした。おそらく、一般的な企業でも大きな支障なく導入できるサービスだと思います。
給与デジタル払いについては、今後実際に使えるようになった際に、現場の状況を見ながら活用を広げ、給与の受け取り方の選択肢が広がることを期待しています。
TwooCa独自の「ポイ活」が生んだ、小さくても確かな行動変化
ポイ活で定められた「清掃」活動中の様子
TwooCaを導入してから、実際の業務面で何か変わったことはありましたか。
以前よりもよく掃除をするようになりました。ポイ活の項目に「掃除」を入れた影響だと思います。ポイ活を通じて「これまであまり意識してやっていなかったことに取り組むようになった」という感覚はあります。大きな変化というより、ちょっとした行動の積み重ねが変わり始めている印象です。
アプリで活動内容を記録している様子
TwooCaで実施されている「社内ポイ活」についてお聞かせください。
日々の業務や行動に応じてポイントが付与される仕組みですが、実際に初月のポイントからすべて付与されており、皆さんが積極的に活用されている印象を受けました。
利用促進のために何か工夫されたことはありますか。
ポイント付与の項目については、日々の業務の中で自然に取り組める内容を意識して設計しました。実際の業務とかけ離れたものではなく、社員が「これならできそう」「意味が分かる」と感じられる項目にすることで、無理なく参加してもらえるようにしています。
結果として、特別な説明や強い働きかけをしなくても、自然と取り組みが広がっていったのは良かった点だと感じています。
特に印象的だったのが「農作業の効率が上がる道具を持参した場合にポイント付与」という項目です。他社ではなかなか見ない取り組みだと思いまして、実際に持参された方がいれば、エピソードなどをお伺いしたいのですが。
例えば、会社で用意していない道具を持ってきてくれるケースもありますし、植物を植える際に使う「こて」を自分専用のもの、いわゆる“マイこて”を持参する方もいます。そうした日常的な行動も、ポイ活を通じて自然に評価できていると感じています。
*Kort Valutaの業務提携先企業・会員組織の社員・会員にあらかじめ定められた活動に対して、福利厚生等の目的で前払式支払手段を用いて手当(労働基準法上の賃金に該当しないものに限る)をポイント付与により支給すること
熱中症対策から日常利用へ─TwooCa Ringの意外な活躍シーン

TwooCa Ringを用いてのVisaのタッチ決済対応の販売機、読取り機での購入
続いて、TwooCa Ringについてお伺いします。熱中症対策として導入いただいたTwooCa Ring*ですが、実際に使い続ける中で、「導入してよかった」と感じる点はありましたか。
TwooCa Ringでそのまま決済できる点は、想像以上に便利だと感じています。
日常の中でふとしたタイミングに、「これは楽だな」「助かるな」と思える場面がありました。特に印象的だったのは、小さなお子さんがいる社員から聞いたエピソードです。遊園地のような場所を訪れた際、子どもを抱っこしたまま自動販売機で飲み物を購入する場面で、「スマートフォンを取り出すよりも、TwooCa Ringでの決済の方が圧倒的に楽だった」という声がありました。そういった日常のちょっとしたシーンで、「あってよかった」と実感できるのが、TwooCa Ringの良さだと思います。
*Visa のタッチ決済機能及びバイタルデータ取得機能を搭載したリング型のウェアラブルデバイス
求人から労務管理、給与デジタル払いまでを一気通貫で支える構想
今後、TwooCaをどのように運用・展開していくお考えでしょうか。
設定した行動項目を達成したらポイントを付与する仕組みは、農Howとの相性が非常に良いと感じています。
これまでは純粋に「農業で働きたい人を集める」という点を重視して農Howを運営してきました。
しかし、農Howをダウンロードし仕事の案件があっても応募されていない方が一定数います。そうした方の背中を推す仕組みとして、TwooCaに大きな可能性を感じています。例えば、働きに来た方や一定期間無遅刻だった方へポイントをプレゼントするといったインセンティブ設計を現実的にできると思います。
今後は、TwooCaにもともと備わっているポイント機能をうまく活用しながら、本当に農業でしっかり働いてくれる人がきちんと報われるような設計を目指していきたいです。
また、TwooCa Ringで実施してきたような労働環境の管理も、今後はより本格的に取り組んでいきたいテーマです。将来的には、農Howをスポットアルバイト向けだけでなく、農家さんが雇用している従業員向けのサービスとしても展開できるのではないかと考えています。単なる求人アプリではなく、打刻や労務管理、福利厚生の利用など、日常の労働管理までを含めた仕組みです。農Howの中で、求人から採用、その後の労務管理、そして給与の支払いまでを一気通貫で提供できる仕組みをつくることで、農家さんが個別にさまざまなサービスを探して導入する手間をなくし、農業の労働環境そのものを少しずつ良くしていければと思っています。
そこが、私たちが目指していきたい方向性です。
給与デジタル払いについては、まだ私自身が世の中でどう受け止められているのかについて理解を深めていくフェーズにあり、運用イメージはこれから固めていく考えです。
「福利厚生」を超えて、地域と農業をつなぐ基盤へ
TwooCaのサービスを紹介するとしたら、もっとも伝えたいメリットは何でしょうか。
あえて理想論を言うと、TwooCaを軸に、その企業で働く人が「自分の会社を好きになる」きっかけをつくれるツールになるのではないかと思っています。いわゆる愛社精神という言葉が近いかもしれませんが、もう少し自然な形で「この会社で働いていて良かった」と感じてもらえる仕組みです。
将来的にはTwooCaで給与を受け取れるようになりますし*、給与以外にも一括支給や福利厚生ポイント付与等の使い方もできると思っています。そうした日常の中で自然に使われる仕組みを通じて、会社と社員との距離が少しずつ縮まっていく。そこが、このサービスの一番大きな可能性だと感じています。
*Kort Valutaは現在、給与デジタル払いの事業者として厚生省に指定を受けるべく準備を進めています。
一般的な福利厚生サービスは全国共通の内容が多く、「その会社ならでは」「その地域ならでは」というカスタマイズ性はあまりありません。使い切れない特典も多いと感じています。
その点でいうと、TwooCaはまさにその“上位版”になり得るサービスだと思っています。
福利厚生を「全国一律」ではなく、「地域」「会社」「業界」に合わせて設計できる。ここが大きな違いです。
農業の場合、働く人の多くは職場の近くに住んでいます。その地域にしかない食堂や直売所、施設などとTwooCaをつなげていくことで、地域密着型の福利厚生が実現できるはずです。東京や大阪だけに価値が集中するのではなく、地域ごとの魅力を活かすことが、私たちの考える“分散型”の発想です。
農業ならではの「おせっかい」ができる世界の実現を目指して
TwooCaだからこそ実現できる、農業ならではのサポートや価値はどのようなものだと考えていますか。

TwooCaは、決済データや利用状況をもとに、現場に寄り添った先回りしたサポートができる可能性を持っています。農業は天候や地域ごとの状況も重要です。もしTwooCaの中で、働く場所に合わせた天気情報や注意喚起が自然に表示されるようになれば、それは“農業ならではのおせっかい”になります。
こうした細かな気づきや支援は、単なるアプリではなく、基盤として使われるTwooCaだからこそできることだと思います。
TwooCaは、決済や給与デジタル払いや決済の面で、農業の課題をどのように変えていける可能性があると思いますか。

農業では、植え付けから収穫・出荷までに時間がかかります。その間、農家さんは先行投資を続けなければなりません。「できるだけ早く現金化したい」という声は、現場ではとても強いです。
将来的には、TwooCaを通じて支払いサイクルを柔軟にすることや、前払い・分割・複数通貨での受け取りなども視野に入ってくると思います。さらに言えば、作物を作る前に価値を可視化し、先に支払いが行われるような仕組みも考えられる。従来のクラウドファンディングよりも、もっと日常に近い形で実現できる可能性があります。
農業は、都市ではできない体験や価値を持っています。その価値を正しく届け、報われる形にする。そのための仕組みとしてTwooCaは大きな可能性を持っています。
深谷様、本日はご多忙の中、貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。アグリトリオ様が目指す「農業の働き方を変える」という挑戦は、TwooCaが目指す世界観とも重なる部分が大きいと感じています。農HowとTwooCa、それぞれの強みを掛け合わせながら、「農業だからこそ働きたい」と思われる環境づくりを、今後ぜひご一緒できれば幸いです。

株式会社アグリトリオ
業種
農業
事業内容
農業求人システムの運営・開発 他
社員数
5名
ウェブサイト
IDカテゴリ
社員証
タグ
#TwooCa #TwooCaRing #カスタマイズポイント #ポイ活
株式会社アグリトリオ
人手不足の農業に、働き続けたくなる仕組みを――アグリトリオがTwooCaと進める働き方改革
業種
農業
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#TwooCa #TwooCaRing #カスタマイズポイント #ポイ活
一般社団法人 未来経済圏振興協会(FEDA)
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社会貢献活動、各種イベントの企画運営、営業代行、広告等
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会員証
タグ
#TwooCaWallet #TwooCaRing #カスタマイズポイント #リアルカード
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タクシー業界初のTwooCa導入に至った思いや期待される効果とは
タクシー業界初のTwooCa導入に至った思いや期待される効果とは
業種
一般乗用旅客自動車運送業
IDカテゴリ
社員証
タグ
#TwooCaWallet #TwooCaRing #カスタマイズポイント #リアルカード
2021年3月 ㈱アグリトリオへ出向
2024年6月 ㈱アグリトリオ代表取締役に就任
2025年 現在に至る